サルバドールの朝 (http://www.salvadornoasa.com/)
本日2本目。
「ボーン・アルティメイタム」の余韻に浸って一日終わるという選択や、
「ディスタービア」を見るという選択もあったのですが、
三ノ宮界隈では、「ディスタービア」よりも、この「サルバドールの朝」の方が公開期間が短いようだったので、
忘れないうちに、という事で、こなしてきました。
閑話休題。
内容は、1970年代、丁度、フランコの独裁政治が末期を迎えるスペインが舞台で、
自由解放運動を行う若きサルバドールが、不慮の事故で警官を死なせてしまい、
それがもとで、死刑になる…という実話(らしい)に基づいた話。
で、回顧録なスタイルで、前半は、サルバドールが、政治活動にのめりこんでいくあたり。
そして、後半は、逮捕後の死刑に至るまでを描いている風でした。
設定的に、ドキュメンタリー気味な映画かと思って行ったのですが、
実際には、そうではなく、むしろ、普通の人間ドラマ系でした。
にもかかわらず、サルバドールが何故政治活動に足を踏み込む事になったのか?という根本や、
その政治活動中での苦悩やジレンマに関する描写が少なく、
そのせいで、死刑が求刑された後の後半(見せ場)が、若干不完全燃焼になっているような気がしました。
一応、最初はサルバドールを見下していた看守が、
ふとしたきっかけで、サルバドールと心を通わせるようになるあたりなどは、
それなりに見るべきものもあったのですが…。
因みに、内容が内容だけに、劇場は年配客ばかりでしたが、
中には若いカップルの人たちもいました。
そして、おそらく、「感動作」という呼び込みに釣られてきたのだろうと思いつつ、
ただ、それでも、こういう知的レベルの高い映画を見て、
映画の後も、内容について、特に当時のスペインに関する感想や、
自分達の身に置き換えた場合の、日本の現状について議論できるカップルなのだとしたら、
非常に素晴らしい関係だと思ってしまったり。
少し憧れますが、実際には、そういう事が出来そうな人は見た事がありません(キッパリ)。
せいぜい、娯楽映画や、安直な感動作を見て、「面白かったね」「感動したね」と言い合えるぐらい。
それが良い事なのか悪い事なのかは、良くわかりませんが…。