アンフェア the movie (http://www.ktv.co.jp/unfair/)

ナイト ミュージアム」を見た後、一旦帰宅して軽くUFOを食べてから、レイトショーでこなして来ました。


内容は、以前好評だったらしいドラマ「アンフェア」の映画版で、ちょっと調べてみた感じでは、ドラマの後、という位置づけ。
そして、ストーリー的には、たまたま娘が入院していた警察病院がテロリストに占拠され、娘を助ける為に、母親刑事(雪平)が、その病院に潜入し、テロリストと対峙する…という感じ。


「アンフェア」を全く知らずに見に行ったのですが、ストーリー的には全く無理なく話についていけました。
ただ、それ以前の問題として、「アンフェアワールド」というか、「アンフェア」自身の有り方にやや疑問が…。


「目には目を。復讐には復讐を。アンフェアにはアンフェアを。」というキャッチコピーから、「アンフェア」=「時にはダークな手段も使いながら、思いもよらない“やり口”で捜査を進める」話だと思っていたのですが、実際には、余りそうではなく、むしろ、「アンフェア」は「裏切る」という意味合いで多く使われており、要は誰が裏切っているのか?というのが最後まで二転三転してわからない、というのがミソな映画である一方、それを推理するのは観客だけで、当の雪平自身が推理するシーンがほとんど無い、というのがまず気になったところ。


そして、もう一つ、よくよく振り返ってみると、その雪平の能力が発揮されているシーンというのが実は余り無く、何に秀でている事で「検挙率No.1」なのか、というのが画面からは判断できなかった、というのが、気になりました。


要するに、普通の刑事ものとは違う見せ方が「アンフェアワールド」なんだと思うのですが、その、普通の刑事物とは一線を画している部分が、逆に、中途半端に感じられ。
むしろ、派手に銃撃戦をこなしてもらったり、推理を働かせてもらう方が「刑事物」としては、無難に楽しめたと思います。
が、それは文字通り「刑事物としては」であり、実際には、この映画は、「刑事物」というよりも「母の子に対する愛情を表現した映画」であり、そういう視点で見るならば、また評価も変わるかと。


というか、色々と考えてみるに、結局これは「アンフェア」ファンの「もう少し雪平の活躍をみたい」という想いに対するファンサービスの映画なんだと思いました。であれば、全く予備知識無く見に行った筆者には神通力が通用せず、その評価がやや辛くなるのも、頷けるはずかと。


因みに、そういう意味では“肩透かし”感を感じたものですが、それを補って余りあるのが篠原涼子
そういえば、劇中の雪平のキャラの設定自身にも少し疑問があるのですが、見た目に限れば、概してスタイリッシュで、それを演じる篠原涼子は、確かにイイ女街道を驀進中だというのがヒシヒシと感じられました。