不便になった阪神電車。

阪神電車は関西の私鉄ですが、
この春(というか先週)、なんば線が開通し、同じく関西の私鉄である、近鉄と繋がりました。


これにより、神戸(三宮)から、大阪(難波)を経て奈良まで直通するようになり、必然的に運行ダイヤ等も大きく変わりました。


当然、便利になった人もいるのですが、
この一週間利用してみて、


ある特定の地域の人にとっては、何のメリットもないどころか、却って相当不便になった


気がしています。
そしてまた、幸か不幸か、それが筆者の住まい地域という…(遠い目)。


というわけで、
本日は、筆者がダイヤ改正で困っているという話など。

予備知識

結論から言いますが、上述の「特定地域」というのは、三宮界隈です。


ただ、三宮自身には、地下鉄、ポートライナーが乗り入れていますので、
正しくは、「住まいが三宮界隈」なのではなく、「三宮から電車に乗って大阪に通勤・通学するケース」の話になる気がします。


というわけで、まず、三宮〜梅田間の移動の話から入りますが、
現状、この区間は、阪神以外に、阪急、JRの計3社が運行しています。
この3社の比較は以下のとおりです。

三宮〜梅田区間内の駅数(両駅含む)
阪急
16駅
阪神
32駅
JR
15駅
三宮〜梅田区間の所要時間
阪急
特急で27分
阪神
特急で31分
JR
新快速で20分
三宮〜梅田区間の運賃
阪急
310円
阪神
310円
JR
390円

駅数については、数え間違えが心配なぐらい、圧倒的に阪神が多く、他社の倍あります。


地域に密着している


といえば、聞こえがいいですが、
単に駅が多いだけならともかく、当然、「停車駅」も多くなるので、
所要時間もだいぶかかるということを意味しています。


なお、運賃については、
阪急と阪神は相互乗り入れしている事もあり同額。
JRだけがやや高い設定です。


この3点を見比べて明らかなように、


数字上はどう考えても、移動に阪神を使う意味が全く無い


のが、そもそもの実情です。


ただ、数字に表れない部分として、

  • 駅の位置が好都合
  • 定期券を駆使した途中下車に魅力がある

場合は、阪神を選択する価値がありますし、
何よりも、

  • 通勤時間帯のラッシュでも確実に座れる方法論が存在していた


のが、かなり魅力的でした。


今までは。

なんば線で不便になった点1:停車駅の変更

さて、本論に移ります。


阪神には、これまで、三宮駅始発梅田駅終着の「区間特急」というものがあり、これがラッシュの時間帯も運行していました。


当然、三宮は始発駅なので、早く乗り込めば、利用客が多い三宮からでも、確実に座って大阪まで行けます。


が、なんば線開通に伴うダイヤ改正により、少なくともラッシュの時間帯については、三宮始発の電車は「急行奈良行き」になりましたw
一方の「区間特急」がどうなったかといいますと、これは良くわからない「青木」という駅が始発という事にw


因みに、「特急」としては、他に、姫路から来る「直通特急」というのもありますが、
これは通常、西から人満載でやってきて、三宮でも降りきらないので、これで座るのは、やや絶望的です。
しかも、余談ですが「青木」という駅は、この「直通特急」が止まるほどの大きな駅ではありません(笑)。


閑話休題
結局、これにより、ダイヤ改正後は、確実に座るためには、

  • 一旦、普通で「青木」という駅に出て、そこから区間特急
  • 「急行奈良行き」で尼崎まで行って、そこで梅田行きの何かに乗り換え


という、乗り換えが要る上に、座れる区間も短縮される事となりました。
しかも、三宮も梅田も止まる直通特急というのがあるのを承知で、わざわざ乗り換えて移動する訳ですから
ただでさえ遅い阪神で、更に余計に時間がかかる寸法です。


逆に言うと、毎日座れずに通勤・通学する覚悟なら、
JRの新快速を使う方が、よほどに、苦痛の時間も短くて済みますので、
阪神を使う人は、(確実に)座って通勤・通学ために、そういうまどろっこしい事を余儀なくされる事になった…という話です。


これでは、ますます阪神を使う意味がなくなった、と解釈せざるをえません。

なんば線で不便になった点2:時間調整・信号待ち・徐行運転の急増

にもかかわらず、律儀に利用していて実際に思うことですが、


ただでさえ遅いのに、毎日のように時間調整と信号待ちに合う



のは、一体どうしたものかと…。


しかも、乗った電車がたまたまだったのか、梅田からの直通特急で帰る折、


特急なのに、尼崎で急行の接続待ちをした


という事実にも遭遇したことがw
(これでは特急と急行のどちらが偉いのかよくわかりません)

なんば線が便利に思えない点:運賃

そうは言っても、三宮から難波まで、直通1本で行けるのは便利…と思いたいところですが、
実際には、そうでもないのが、運賃体系。


今までは、三宮から難波に行く場合、
三宮〜梅田間を定期で移動して、
梅田から難波までを大阪市営地下鉄で230円という感じでした。


一方、新たに出来た阪神なんば線を使う場合ですが、
定期が梅田までだと、尼崎から先の運賃が別途必要らしく、
これが調べによると320円。


実際に人柱する勇気が無く、そういう意味では、嘘が無いか心配ですが、
これがもし本当なら、
もともと遅い「特急」よりも更に遅そうな「急行」に乗った上で、
更に90円余計に払わないといけない訳でして、
ちょっと考えてしまいます。


もっと深刻なのが、例えば、USJです。


同じように、梅田まで定期がある場合、
梅田でJR乗り換えだと、ユニバーサルシティまでの追加運賃がJRで170円。


一方、阪神なんば線を強引に利用しようとすると、
同様に尼崎から先の運賃がいる上、結局、西九条でJRに乗り換えないといけない訳でして、
これをあわせると、筆者計算では450円。


2倍以上の開きがあるわけで、


はぁ?


という感じです。
少なくとも筆者は、そこまでして阪神を使う気になりません(キッパリ)。


全てのケースを検証したわけではなく、
また、少なくとも、奈良に行く場合は、三宮出発&梅田までの定期有りのケースでも、阪神近鉄な意義がありそうですが、
どうも、


むしろ意義のある方がレア


な気がして、しょうがありません。

筆者の見解

毎日見ている様子からすると、三宮から梅田(周辺)に通勤・通学する利用客は割と多く存在していますので、これは決してレアケースではないと思います。


ただ、最初に比較したとおり、三宮から梅田に出るケースでは、もともと、JRや阪急に比べて阪神が圧倒的に魅力の乏しい状態でした。


一方、現在、阪神電車は阪急グループの1子会社です。
そして、磁気定期券であれば、新開地〜三宮区間と、梅田は、阪急と阪神が相互に乗り降り自由な状態です。


というわけで、


頭の悪いバカがダイヤ改正したせいでこうなった。


というのではなく、


少なくとも阪急との競争は放棄し、キタに行くには阪急を使ってもらえればそれでいいダイヤ改正


という気がしています。


であれば、なんとなく、一連の不思議を理解できなく無いのですが、
駅の位置が好都合なので利用している筆者にとって、



それは大きなお世話


でしかないのは、変わらぬ事実です。


せめて、区間特急の始発駅が、直通特急も停車する御影や魚崎になれば、まだマシなんですが。。。