不便になった阪神電車。
阪神電車は関西の私鉄ですが、
この春(というか先週)、なんば線が開通し、同じく関西の私鉄である、近鉄と繋がりました。
これにより、神戸(三宮)から、大阪(難波)を経て奈良まで直通するようになり、必然的に運行ダイヤ等も大きく変わりました。
当然、便利になった人もいるのですが、
この一週間利用してみて、
ある特定の地域の人にとっては、何のメリットもないどころか、却って相当不便になった
気がしています。
そしてまた、幸か不幸か、それが筆者の住まい地域という…(遠い目)。
というわけで、
本日は、筆者がダイヤ改正で困っているという話など。
予備知識
結論から言いますが、上述の「特定地域」というのは、三宮界隈です。
ただ、三宮自身には、地下鉄、ポートライナーが乗り入れていますので、
正しくは、「住まいが三宮界隈」なのではなく、「三宮から電車に乗って大阪に通勤・通学するケース」の話になる気がします。
というわけで、まず、三宮〜梅田間の移動の話から入りますが、
現状、この区間は、阪神以外に、阪急、JRの計3社が運行しています。
この3社の比較は以下のとおりです。
駅数については、数え間違えが心配なぐらい、圧倒的に阪神が多く、他社の倍あります。
地域に密着している
といえば、聞こえがいいですが、
単に駅が多いだけならともかく、当然、「停車駅」も多くなるので、
所要時間もだいぶかかるということを意味しています。
なお、運賃については、
阪急と阪神は相互乗り入れしている事もあり同額。
JRだけがやや高い設定です。
この3点を見比べて明らかなように、
数字上はどう考えても、移動に阪神を使う意味が全く無い
のが、そもそもの実情です。
ただ、数字に表れない部分として、
- 駅の位置が好都合
- 定期券を駆使した途中下車に魅力がある
場合は、阪神を選択する価値がありますし、
何よりも、
- 通勤時間帯のラッシュでも確実に座れる方法論が存在していた
のが、かなり魅力的でした。
今までは。
なんば線で不便になった点1:停車駅の変更
さて、本論に移ります。
阪神には、これまで、三宮駅始発梅田駅終着の「区間特急」というものがあり、これがラッシュの時間帯も運行していました。
当然、三宮は始発駅なので、早く乗り込めば、利用客が多い三宮からでも、確実に座って大阪まで行けます。
が、なんば線開通に伴うダイヤ改正により、少なくともラッシュの時間帯については、三宮始発の電車は「急行奈良行き」になりましたw
一方の「区間特急」がどうなったかといいますと、これは良くわからない「青木」という駅が始発という事にw
因みに、「特急」としては、他に、姫路から来る「直通特急」というのもありますが、
これは通常、西から人満載でやってきて、三宮でも降りきらないので、これで座るのは、やや絶望的です。
しかも、余談ですが「青木」という駅は、この「直通特急」が止まるほどの大きな駅ではありません(笑)。
閑話休題。
結局、これにより、ダイヤ改正後は、確実に座るためには、
- 一旦、普通で「青木」という駅に出て、そこから区間特急
- 「急行奈良行き」で尼崎まで行って、そこで梅田行きの何かに乗り換え
という、乗り換えが要る上に、座れる区間も短縮される事となりました。
しかも、三宮も梅田も止まる直通特急というのがあるのを承知で、わざわざ乗り換えて移動する訳ですから
ただでさえ遅い阪神で、更に余計に時間がかかる寸法です。
逆に言うと、毎日座れずに通勤・通学する覚悟なら、
JRの新快速を使う方が、よほどに、苦痛の時間も短くて済みますので、
阪神を使う人は、(確実に)座って通勤・通学ために、そういうまどろっこしい事を余儀なくされる事になった…という話です。
これでは、ますます阪神を使う意味がなくなった、と解釈せざるをえません。
なんば線で不便になった点2:時間調整・信号待ち・徐行運転の急増
にもかかわらず、律儀に利用していて実際に思うことですが、
ただでさえ遅いのに、毎日のように時間調整と信号待ちに合う
のは、一体どうしたものかと…。
しかも、乗った電車がたまたまだったのか、梅田からの直通特急で帰る折、
特急なのに、尼崎で急行の接続待ちをした
という事実にも遭遇したことがw
(これでは特急と急行のどちらが偉いのかよくわかりません)
なんば線が便利に思えない点:運賃
そうは言っても、三宮から難波まで、直通1本で行けるのは便利…と思いたいところですが、
実際には、そうでもないのが、運賃体系。
今までは、三宮から難波に行く場合、
三宮〜梅田間を定期で移動して、
梅田から難波までを大阪市営地下鉄で230円という感じでした。
一方、新たに出来た阪神なんば線を使う場合ですが、
定期が梅田までだと、尼崎から先の運賃が別途必要らしく、
これが調べによると320円。
実際に人柱する勇気が無く、そういう意味では、嘘が無いか心配ですが、
これがもし本当なら、
もともと遅い「特急」よりも更に遅そうな「急行」に乗った上で、
更に90円余計に払わないといけない訳でして、
ちょっと考えてしまいます。
もっと深刻なのが、例えば、USJです。
同じように、梅田まで定期がある場合、
梅田でJR乗り換えだと、ユニバーサルシティまでの追加運賃がJRで170円。
一方、阪神なんば線を強引に利用しようとすると、
同様に尼崎から先の運賃がいる上、結局、西九条でJRに乗り換えないといけない訳でして、
これをあわせると、筆者計算では450円。
2倍以上の開きがあるわけで、
はぁ?
という感じです。
少なくとも筆者は、そこまでして阪神を使う気になりません(キッパリ)。
全てのケースを検証したわけではなく、
また、少なくとも、奈良に行く場合は、三宮出発&梅田までの定期有りのケースでも、阪神+近鉄な意義がありそうですが、
どうも、
むしろ意義のある方がレア
な気がして、しょうがありません。
筆者の見解
毎日見ている様子からすると、三宮から梅田(周辺)に通勤・通学する利用客は割と多く存在していますので、これは決してレアケースではないと思います。
ただ、最初に比較したとおり、三宮から梅田に出るケースでは、もともと、JRや阪急に比べて阪神が圧倒的に魅力の乏しい状態でした。
一方、現在、阪神電車は阪急グループの1子会社です。
そして、磁気定期券であれば、新開地〜三宮区間と、梅田は、阪急と阪神が相互に乗り降り自由な状態です。
というわけで、
頭の悪いバカがダイヤ改正したせいでこうなった。
というのではなく、
少なくとも阪急との競争は放棄し、キタに行くには阪急を使ってもらえればそれでいいダイヤ改正
という気がしています。
であれば、なんとなく、一連の不思議を理解できなく無いのですが、
駅の位置が好都合なので利用している筆者にとって、
それは大きなお世話
でしかないのは、変わらぬ事実です。