株式投資とFX・十番勝負

正直に言いますと、
これまでネタに使ってきた株とFX(外国為替証拠金取引)以外にも、
投信や外貨MMF、外貨建て債券なども既に手を出してしまっている訳ですが、
投信と債券は、売買の手軽さという点で、他より使い勝手が悪い上、
外貨MMFと外貨建て債券は、為替差益を期待するという観点で、FXの下位互換に近いものがあります。


という訳で、最近、熱いのは、やはり株とFX。
で、本日は、人柱増加を期待して、
その両者の似て非なる部分を個人的見解で比較してみます。

一番勝負:取引時間

(国内)株式投資
基本的には、土日祝外の昼間限定
FX
基本的には、土日外24時間

株の場合、
日本にも米国株や中国株まで手を出している人がいるように、
日本の株に手を出している海外の人もいるようですが、
しかも、得てしてそんな海外勢に株価が左右されがちなケースが多発していますが、
基本的には、日本の証券取引所で売り買いするものなので、日本の平日昼間のみの取引。


一方、FXは、
為替相場が世界に広がっている為、
日本が祝日でも、アメリカが祝日でも、
日曜日のような世界的休日でない限り、
24時間、何の制約もなく取引可能。


どちらかといえば、FXが有利?
でも、昼は普通に働いて、夜中にFXだと、いつ寝るんだ、という問題が(爆

二番勝負:銘柄数

(国内)株式投資
数千?
FX
恐らく50は無い

FXの場合は、銘柄というよりは通貨ペアの種類ですが、
これははっきり言って、業者依存。
ただ、10を少し超えたぐらいの業者が多く、30以上はほとんど見た事なし。


一方、株は、どの証券会社でも、等しく同じだけの銘柄を売り買いでき、
かつ、その数は、上場企業の数依存で、常に数千ぐらいある気がします。


数が多い方が、検討の余地が増える訳ですが、
かといって、多いと多いなりに、全銘柄をチェックするのが手間ですし、
一長一短。

三番勝負:取引手数料

(国内)株式投資
無料〜数千円(有料が主)/1回あたり
FX
無料〜数百円(無料が主)/1回あたり+売買レート差分

基本的には、株とFXで異なるというより、業者によってピンキリな項目。


しかも、
株は、ある瞬間の売値と買値が通常同値で、業者の利潤が「取引手数料」として設定されている一方、
FXは、取引手数料よりも、売値と買値のレート差(スプレッド)として、業者の利潤が設定されているという、
コンセプト自身の違いがあり、比較すること自体がナンセンスな気もします。


が、それでも経験的には、
株の方が、明確に「手数料をだいぶ取られてる〜」という気になる感じw

四番勝負:チャート

(国内)株式投資
ローソク足チャート多用
FX
:ローソク足チャート多用

良い呼び名が思いつかず「チャート」と勝負名を書いてしまいましたが、
ここは、株もFXも全く同じ。
ともに、値動きの予想には、ローソク足チャートを多用します。

五番勝負:一日の値動き

(国内)株式投資
ストップ安/ストップ高があり、銘柄により物理的に決まっている
FX
通貨ペアによって動きに経験的な幅があるものの、物理的な歯止めは無いも同然w

これは両者で大きく違う部分です。


株の場合は、
暴落・暴騰が生じても、ストップがあるので、日単位では、それを超えて動く事がありません。
逆に、そのせいで、売買が成立しないこともあります。


一方、FX(為替レート)の場合は、平時は、或る経験的な値幅内を上下するだけなのですが、何かあると、想定外の急落・急騰が平気で生じますw
という訳で、急落については、損失が大きくなりすぎると業者自身が資金を回収できなくなるので、
通常は「ロスカット」と呼ばれるラインを業者も引いていますが、
そこまで行ってしまう時というのは、基本的に準備資金のほぼ全額を失う時w


理屈上は、上下両方の値動きで考えると、どちらも一長一短という話なのですが、
心理的には、損失拡大防止の観点でストップのある株の方が、使い勝手が良い感じ。

六番勝負:資金の使い方

(国内)株式投資
現物取引なら、全力投資も可
FX
基本的に全力投資は不可で、常に余剰資金を持っておく必要あり

これはどちらが良い・悪いではなく、そもそも考え方が異なる項目。


株式投資の場合は、「100万円投資する」というのは「100万円分の株を買う」という事であり、
しかも、現物取引なら、買った後は買った株券の価値変動があるだけなので、追加費用が生じず、
用意資金を全力投入しても、大きな問題はありません。
まぁ、実際には、余力を残しておいた方が、値上がりしそうな銘柄を見つけた時に、即買いできるので、動きが取りやすいですが…。
話はそれましたが、従い、想定利回りは、株価がどの程度値動きするか?だけです。


一方、FXの場合は、現物取引ではなく証拠金取引なので、
為替レートの変動に伴って含み損が発生した場合、必ず、補てんが必要です。
従って、投資資金は、実際の売買資金と、非常時の損失補てん用資金の2つからなるのが通常で、為替レートの変動以外にも、この分配比が投資効率に直結します。


感覚的には、株の方が投資効率をイメージしやすいと思いますが、
考え方さえ理解できれば、FXでも投資効率の把握は全く難しくないです。

七番勝負:配当金

(国内)株式投資
通常年に1〜2回で、額は、最低売買単位当たり、0円〜数千円
FX
通常、毎日決算で、額は1万通貨当たり数円〜百円ちょっとながら、「利回り損益」なので、通貨ペアによってはマイナスもあり

両者で考え方に差異がありますが、
年間に換算すれば、おそらくFXの方が期待利益が大きいと思います。
そもそも株の場合は、業績如何によっては、急に配当金が無くなる…という時があるしw


FXの場合は、株と異なり通貨ペア次第でマイナスとなる事もありえますが、
これは結局のところ、マイナスになる通貨ペアの取引をしなければいいだけなので、言うほどデメリットでは無し。


もっとも、上述のストップ有無の違いにより、FXの方が保有し続ける事のリスク自身も高く、
「期待利益」ではなく「配当金狙いの運用のしやすさ」という観点では、必ずしもFXが有利とは言い切れない気がします。

八番勝負:おまけ要素

(国内)株式投資
株主優待があるケースもある
FX
何も無い

株の場合は、銘柄によって、売買差益や配当金以外にも、株主としての利益が享受できるケースがあります。
一方、FXは、どんな外貨ペアで取引をしても、だからといって、何かがある事は無し。

九番勝負:確定申告

(国内)株式投資
特定口座であれば、業者が勝手に納税をしてくれる
FX
基本的には自分で納税手続きをする

個人的にFXで一番困っているのはこれです。


FXの利益は、売買損益、スワップ損益、いずれも総合課税の雑所得に該当するらしいです(くりっく365の場合は分離課税)。
この場合、文言上は、年間給与所得が2,000万円以下である限り、必要経費を差し引いた利益を年間20万円以下に収めておけば、確定申告不要らしいのですが、









本気で頑張れば、簡単に年20万円ぐらい儲かってしまう気がする。


という皮肉な問題が<FX


しかも、筆者は非該当ですが、扶養家族扱いの人は、利益が38万円を超えると、扶養家族から外されて扶養者控除がなくなり、130万円を超えると健康保険面でも、厚生年金の扶養者から外れるという、ややこしい話がある模様。


因みに、FXの税金対策ですが、
年間利益が800万円を超えるぐらいまで行ってしまうと、
個人で普通に払うよりも、法人化して法人税を支払う方が節税になる、という噂。
家族を社員にしてしまえば、給与という名で必要経費も増やせますし(違)。


800万円は普通無いだろう…と思いますが、
1年52週と考えれば、週当たり約15万円、日当たり約3万円の儲けでして、
FXならそれも牡羊座…じゃなくて、ありえる気がするのが、さらに恐ろしいところ。

十番勝負:理屈上、好ましい売買スタイル

(国内)株式投資
中長期運用
FX
短期運用

最後は結論めいた話。


株式投資の場合は、

  • 本来、企業の成長を期待して買うものである
  • 手数料が比較的目に見えて取られる
  • いかなる暴騰が生じても、ストップ高を超えて株価が上昇することがない

という観点から、本来は、中長期の運用が好ましい気がします。

一方、FXの場合は、

  • 経済が世界的に連動している以上、右肩上がり的な高騰が期待できる通貨がない。(長期的には必ず上下するシロモノ)
  • 通貨レート急落時に、強制的な歯止めが利きにくい

という観点から、保有し続ける事には、むしろリスクが付きまとう気がします。


もっとも、あくまでも理屈上というか、筆者の個人的感想であり、
株は短期売買だと儲けにくいのか?といえばそうでもないのですが。


というか、これは、結局、株かFXか、ではなく、
相場が不安定だとリスク回避のための短期売買、
安定的に成長中なら利益を最大限に取ろうとする為に中長期売買になる…というだけの話かもしれません。