FXのススメ

超我流中長期運用指南

基礎知識の解説が終わったところで、いよいよ運用話。


正直に言いますと、今の筆者はむしろ短期運用が中心ですが、
美味しい話は最後に取っておくという事で、
まずは、スワップ金利差)で稼ぐ中長期運用について、我流で考察します。

基本的な考え方

できるだけスワップの大きい(金利差が大きい)通貨セットを選び、
できるだけ長い期間、投資を継続する。


基本的にはこういう事になります。
ただ、前者は先に話題ありきの話であり、
というか、金利差は個人の力でどうこうできるものではなく、頑張りようがありません。
強いて言えば、通貨セットの選択には自由度がありますが、
金利差が大きい通貨セットは決まっているので、言うほど知恵は要りません。
従い、腕が問われると思われるのは後者です。

コツ1:できるだけ高値買いを避ける

持ち続ける事で金利を得るなら購入時のレートはあまり関係ないのでは?という考えもありえますが、
究極的には、その理屈も間違いではないものの、現実的には、それは間違いだと筆者は思います。


例えば、スワップが30円/日の業者から、1ドル=100円の時に1万ドル買って1年保持したとします。
この時の利益は、
 30円×365日=10,950円
になりますが、それは為替変動を考慮していません。
もし、1ドル=102円になれば、この1万ドルをその時に売り払う事で、
 (102円−100円)×1万ドル=20,000円
の儲けになりますし、逆に、1年後のレートが1ドル=98円なら、為替差損が20,000円あるわけなので、トータルとしてはマイナスになります。


実際には、差損が出ない時まで通貨を保持し続ける事で、損失を確定させずに済みますが、
逆にいえば、損失が出ている間は現金化しにくい訳ですから、
運用効率という観点では、やはり、安い時に買うのがベストです。


即ち、「投資時のレートはあまり関係ない」というのは、
高値掴みしてしまった場合の、ただの負け犬の遠吠えです(キッパリ)。

コツ2:短期で売る事も視野に入れておく

上述の計算式がほぼ全てですが、
為替変動の為に、スワップで得る予定の利益額が、一瞬で確定してしまった場合。
その時は、無理に保持し続けず、一旦売るべきでしょう。


そういう意味では、保有開始時に、あらかじめ、エンドレスで指値の決済注文も入れておくとよい気がします。
一日中、相場を見ている訳にもいかないし。

コツ3:保持し続けない

FXのスワップは、日単位でもらえるものですが、
通常、金利計算をする時刻は決まっており、
金利がもらえるかどうかは、その時に通貨を持っているかどうか?が全てです。


例えばそれが朝の7時だとしたら、その日の朝8時に買って、翌朝6時に売ってしまったような場合には、金利がつかない一方、
朝の6時半に買って、7時半に売るような事をしても、金利はもらえます。


レートは通常、1日のうちでも変動していますので、
手間でなければ、日中、そこそこレートが上がった時に一旦売り、そこそこレートが下がった時に買い直して、金利が付与される時刻を待つのが、もっとも効率よく、かつ、為替リスクが最小限に抑えられて、安心かと思います。

買った後、買ったまま持ち続ける必要はありません。

コツ4:保持し続けるなら、レバレッジは低めにする

とはいえ、面倒なので、買いっぱなしにする事もあると思いますが、
その時は、レバレッジを低めに抑えるのが良いと思います。


というか、為替がどう変動しても、強制売りにならないだけの、余力を用意していないと、
一瞬でもレートが強制売り対象になった時点で、大損害。
従って、持ち続けるなら、十分な余力も用意するべきなのですが、そうすると、必然的にレバレッジが下がります。


因みに、どのぐらいが適当かという話ですが、
どの通貨ペアにどれぐらいつぎ込むのか、で違うので、一概には言えません。


ただ、計算自身は簡単で、20円ノリシロがあればいいかって時に、1万通貨買う場合は、


20円×1万円/通貨=20万円


の余力が必要、という話(多分)。
10円でいいなら、10万円。
逆に20円のノリシロで5万通貨買うなら、100万円が必要。


尚、例の上に例を重ねる話ですが、
100万円用意しつつも5万通貨しか買わないのは、或る意味、効率が悪いです。
逆に、1日の間ぐらいなら、20円も値動きがある事は通常考えにくいので、
そういう意味でも、コツ3の「保持し続けない」はポイントと思います。