食材の鮮度の話。

筆者は、自炊を始めるまで、賞味期限と消費期限の違いもあまり気にせずに生きてきたような人間で、
そもそも、この手の事は、中学校の家庭科の授業以後、何の専門教育も受けていないのですが、
最近、色々と思うところがあり、本日は、その辺を整理してみようかと。


因みに、信じる・信じないは、自己責任という事でよろしくお願いします。

食材の鮮度が落ちるという事。

結論から言いますと、
いろんなパターンがあるとは思いますが、
究極的には、全て、化学的な原因と生物学的な原因の2つに集約され、
化学的原因は、もっぱら「味が落ちる」というのが主で、
一方、生物学的原因は、「食べるな、危険」に近づくという事が主なのかな?
と最近思います。

鮮度が落ちる原因1:脱水

平たく言うと、乾燥していくというものです。
ただ、これは化学的なものと生物学的なものと双方あると思われます。


化学の話についていける人がどれだけここを見ているのか良くわかりませんが、
世の中には、水蒸気圧というものがあり、沸点に達していなくても、開放系では、
水はどんどん蒸発していきます。
これが化学的な原因。


一方、動植物のほぼすべては、毎日の生命活動で、水を消費しています。
という訳で、主に、生きたまま取引されている野菜類は、水分補給無く保管されると、
自己の体内(植物も体内というのでしょうか…?)に蓄積している水を消費していき、
最終的には、ひからびます。
これが生物学的な原因。


いずれにしても、常温で化学的な脱水反応が進行することは非常に稀であり、
そういう意味では、化合物の変質を伴うケースは少なく、ただ水を失うだけで、
これは、「味が落ちる」に該当するものと思われます。


対策ですが、要するに、水が系内から無くならないようにしていればいい訳で、
密封保管が有効なのでは?と思います。また、野菜類は、水を補給してやるとか。

鮮度が落ちる原因2:水和

一方、それとは全く逆に、水分が多く補給されすぎても鮮度が落ちる事があるように思います。
「鮮度」という概念ではないかもしれませんが、せんべいや海苔が湿気るパターンなどがこれ。


これは大抵の場合、吸湿という、化学的な原因であり、
どちらかといえば「味が落ちる」に該当する事と思われます。


対策ですが、要は、湿気を吸収する乾燥剤を入れておけば、それでいいのではないかと…。

鮮度が落ちる原因3:カビ・虫・菌の繁殖

思いっきり、そのまんまです(ぉ


文字通り、生物学的な原因ですが、
病気の多くが病原菌やウイルス(ユイルスは違います)による以上、
これは「食べるな、危険」に近づく鮮度低下と考えられます。


対策ですが、要するに、生物が生きていけない状態を経由するのが有効で、
例えば、煮沸するとか、塩濃度を高めるとか、極低温で保管するとか。

鮮度が落ちる原因4:熱分解

化学的原因です。
化合物の中には、加熱すると壊れてしまうものがあります。
良く言うのは、ビタミンA。


まぁ、ビタミンA自身がどういう味なのかは、よくわからないので、
ビタミンAが無くなる=味が落ちる
かどうかは謎ですが、ただ、そういう、熱をかけると壊れる化合物というのは、
常温でも緩やかに分解していきます。


分解するという事は、言うまでもなく、別の化合物になるという事で、
おいしい成分は、おいしくない成分になる可能性を持ち、
無毒な成分が有毒な成分になる可能性も、そこには存在しています。


という訳で、「味が落ちる」がメインのような気もしますが、
そうではなく、「食べるな、危険」に近づくケースもあるかもしれません。


対策ですが、温度依存な訳ですから、できるだけ低温保管をするという事で。
ただ、低温保管品を食べる時に、あっためる事がよくありますが、
言うまでもなく、熱分解性の化合物は、そのあっためる操作でも分解しますw
そこに気をつけないと、本末転倒。

鮮度が落ちる原因5:酸化

人間が生きていくのに酸素はなくてはならない存在ですが、
これは、酸素を使う化学反応が体内で起きているからです。


それと同じかどうかはよくわかりませんが、
酸素があると、その手の化学反応が緩やかに進行し、
結果として、鮮度が落ちる、というのも、ありがちに思います。
例がぱっとは出てきませんが、
時々、菓子折りに「脱酸素剤」というのが入っているのは、その為なのでしょう。


対策ですが、脱酸素剤…はともかく、
空気に触れないように、密封するのが有効かと。
また、化学反応というのは、通常、温度を下げるに従って、どんどんしにくくなるものなので、
極力低温で保管するというのも、有効に思われます。

鮮度が落ちる原因6:生命活動

と、書いていきなり「ジョジョの奇妙な冒険」に意識が飛んでしまった筆者は、少しおかしいでしょうか?(ぇ


閑話休題
動物であれ、植物であれ、
生きているものは、生命活動を続けるために、栄養を消費します。
逆に言うと、栄養がない状態で生きていくには、自身のストックしている栄養分を消費しないといけません。
というか、そういうのがあるから、ダイエットという概念もあるのだと(爆)。


話はそれましたが、
例えば、玉ねぎに芽が出るとか、シャコの身が細るとか、
そういうのは、たぶんこれ。
で、そういう事で、あるべきものが消費されてなくなると…それはそれで味が落ちるのであろう、と。
ただ、ジャガイモの芽のように、毒素の生産活動を伴うものがあるので、
一概には言えないものもあります。


因みに、言うまでもなく、生物学的原因で、
対策としては、


殺す。


これに尽きる気がします(ぇ

長期保存に有効な方法

ざっと順不同で思いつくままに鮮度が落ちる原因を並べてみましたが、
では、どうすれば鮮度低下を抑制できるのでしょうか。


結論を言いますと、これは、

  • できるだけ低温で保存
  • できるだけ密封して保存


という、当たり前の事に集約されてしまう予感(爆)。
後は、しいて言えば、水を吸いやすいのか、水が飛びやすいのかを考えて、
適切な水分状態を維持する
ぐらいなのかな、と。