祇園精舎の鐘の声

一応、一区切りした部分があるのですが、
最近の身の回りの様子から考察した部分などを、補足気味に。

Ringから抜ける

↑確信犯的表現^^;


いわゆる、アイドルファンの挙動を、
独断と偏見に満ちた超個人的見解を交えて解析するこの企画。
前回は、或る人に対する応援熱が覚めてきた場合でも、
心が満たされていないなら、心を満たすために、自然と他の人に移ろい、
そして、同じことを繰り返す…というような話でした。


という訳で、ハマった人は、次第にいわゆるDDと化し、
そういう輪廻転生めいた挙動を繰り返すように思うのですが、
筆者の周りでは、ここ1,2年、いわゆる現場系の熱い知人が、
そういう輪廻転生のサイクルから抜け、
大人しい在宅系に切り替わる(or切替ろうとしている)という事例を頻繁に見るようになりました。


結論から言うと、こういうのは人それぞれの感性に大きく依存する問題であり、
必ずしも一義的な解釈をする事は出来ないのですが、
(そもそも、周りが必ずそうなっている、という訳でもない)
なんとなく、それは、自然な流れなのだろうという気がしています。


という訳で、本日は、そういう、輪(Ring)から抜けて、そもそもの活動を縮小する事になる理由についてなど。
因みに、以前「愛が醒める瞬間」という事で、(活動したい気分を維持したまま)他の人に気分が移ろう理由を考察した事がありますが、
「活動縮小」についても、中には同じような理由が、ありえるかと思います。
が、同じ事を再び書き連ねても意味が薄いので、ここでは、それ以外、あるいは、その補足、という形で列挙してみます。

活動縮小の理由1
年をとった。

中には、10年、20年と応援する人もいますが、
それは逆に言うと、自分が10歳、20歳と年をとることです。


そうすると、必然的にスタンスが変わります。
昔から「三つ子の魂百まで」と言い、性格や嗜好自身が大きく変わる事は稀ですが、
年を経ると、少なくとも経済状況がまず変わり、それに伴って、価値観も少なからず変化します。


例えば、10代だと、往々にして、自分のおこずかいが少なく、何にでも貪欲にお金を使う事が普通ありません(花形満のような人は別)。
一方で、30代の独身などは、生計が安定しているならば、自分のおこずかいが比較的多く、多少、無茶な使い方をしても響かないというか、なんというか。
ただ、年齢に比例するかといえば、そうでもなく、家庭を持つようになると、今度は、自分のおこずかいに制約が生じ、これまた、貪欲に何にでもお金を使う…という事が難しくなります。


そういうのは、別に改めて書くほどの話でもないと思いますが、
ただ、お金を持っているか、持っていないか、は、物の価値観に大きく影響します。


また、応援の仕方自身も、年を取るとどうしても大人しくなります。
というか、若いからこそ出せる勢い…というのが、どうしてもあります。


それ以外でも、自分の年齢が、応援しているファンの年齢層から大きくかけ離れてくると、
その集団の中に居続ける事に気が引ける…事もあります。
この辺は、或る意味、暴走族の卒業話と似ているような気がします。


いずれにしても、年を取ると、必ず何らかの変化があり、
その結果として、活動を縮小する事になる…というのは、自然な結末のように思います。

活動縮小の理由2
時代が変わった。

とはいえ、そういう活動縮小になる年齢自身も、最近、少しずつ若返ってきているような気が、
少ししています。
まぁ、周りの人の年齢を把握している訳ではない(むしろ知らない)ので、勝手な憶測ですが。


閑話休題
アイドルの応援活動というのは、結局のところ、「趣味」で、
「趣味」の究極的な目的は、「余暇を充実して過ごすこと」だと思います。


逆に言えば、「余暇を充実して過ごす」オプションに困っていないなら、
アイドルの応援活動を趣味にチョイスする理由も稀薄になってしかるべき…気がします。


例えば、10年前など、インターネットも今ほど普及しておらず、
今では多くの人が所有しているニンテンドーDSも、まだ発売していませんでした。


従い、今では、
「イベントに行くか、DSでゲーム三昧か」とか「友達とメールのやり取りで過ごすか、舞台を見に行くか」
という選択で悩むことがありえても(笑)、
その10年前は、そういう選択肢自身がありませんでした。


平たく言うと、文明の進歩に伴い、娯楽・趣味の範囲が広がってきている為、
他に、もっとコストパフォーマンス良く充実して余暇を過ごせる事を見出しやすくなっており、
その余波を受ければ、必然的にコストパフォーマンスの悪い活動が縮小される…という寸法です。

活動縮小の理由3
業界自身の変化。

三者的な視点では、そういう表現だと思いますが、
応援者側の視点で言うと「ばからしくなった」です…。


筆者は、お恥ずかしながら、世相に疎く、時事ネタは良くわかっていない事が多いのですが、
例えば、CDやDVDの売り上げは、確か年々、減少する傾向にあると聞いた事があったように思います。


理由は至極単純で、不況と、その為に、買うよりも借りる人が増えてきている為だと思いますが、
そのまま売り上げが減少していると、言うまでもなく、業界の人は、商売あがったりです。
従い、何らかの施策が余儀なくされているのは、想像に難くない事ですが、
筆者の見聞きしている範囲では、その施策というのが、


一般多数に広く売るよりも、

ファンという、確実に買ってくれる特定少数に高く(多く)売る


という傾向にあります。


この事自身は、別に突拍子もない話ではなく、
例えば、激戦区の選挙活動等でも、


浮動票を集めるよりは、まず支持者に篤く報い、確実な票を他に逃がさない


といったような、同じようなコンセプトの活動があるはずです。


問題は、その考え方が、ファンの目指すものと矛盾している所にあります。
選挙の場合は、呉越同舟でなんぼの世界なので、そういう問題がないと思いますが。。。


色んな人がいるので、一概には言えないのかもしれませんが、
大多数のファンというのは「自分の応援している人に人気が出る事」を望んでいる事に間違いありません。
が、それは普通「一人でも多くの人に」と同義であり、
「特定少数」に売るというやり方とは、全く矛盾しています。


それでも自分の行動が「一人でも多くの人に」に繋がる可能性があると信じていられるうちは、波風が立つ事はないでしょう。
実際そう信じて、買っていると思います。
が、何年応援していても、うだつがあがらず(爆)、
その「一人でも多くの人に」という成果が見えてこない場合は、
そもそものそういう業界の方針自身が肌に合わず、


あほらしい


に直結して、当然かと(爆)。


逆に言うと、成果が見える場合は、そういう感覚に陥りにくい為、
そういう意味では、成果が見える対象に乗り換えれば、活動縮小…にはならないかもしれません。


ただ、一度失った信用を取り返すのは通常難しい話であり、
応援対象自身ではなく、業界のやり方に愛想を尽かしてしまった場合は、
乗り換えて云々、という方向には行きにくいような気がします。


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他にも理由はあるかと思いますが、
大雑把には、この3つかな、という気がしています。