アレキサンダー (http://www.alexander-movie.jp/)

久々の映画。前売券を確保していたので、消化してきました。


内容は、文字通り、あの有名なアレキサンダー大王の半生記。
世界史をかじったことがある人ならご存知だと思いますが、アレキサンダー大王は、最盛期にはインドまで進出しており、半端なスケールで、その生涯を描けるはずが無く。
確かに「スケール感」は凄く、お金がかかってるなぁ、という印象は持ちましたが、凄かったのは、映画ではなく、単に大王の一生という結末でした(苦笑)。


以下、つれづれなるままに苦言ですが、まず、そもそも日本人にはなじみが薄い題材で感情移入がしにくいにも関わらず、どちらかというとエンターテイメントというよりはドキュメンタリーに仕上がっていて、見ていて少し辛い感あり。平たく言うと、「学校の授業の手助けになる映画」といえば伝わるでしょうか。
そもそも、アレキサンダー大王は良く知っていても、その取り巻き・側近の名前がとっさに出てくる人はどれだけ居ることだか。「キング・アーサー」の時にも円卓の騎士が「ランスロット・ガヴェイン・その他大勢」となっていたように感じましたが、今回は、あれに輪をかけた感じ。全然キャラに感情移入できず。特に外人が皆同じ顔に見える人は要注意(爆)。


また、そもそものストーリーが、映画向きではないという気がしました。
というのは、アレキサンダー大王の絶頂期というのは、おそらくペルシアを打ち破った頃であり、その後の東征は、進むにつれて故郷が遠のき、どんどん辛くなっていく訳です。と言うわけで、史実に即した感じで半生を死ぬまで見させられると、栄光あるシーンが序盤で、その後はどんどん重いシーンばかりになるという罠(苦笑)。これでは、下手をすると、見終わった後に残るのは「偉大感」ではなく、「タダの馬鹿」という感想かも(爆)。
この辺は、「売れたら続編を作る」という事で、ペルシア戦をラストに持ってくるぐらいが良かったような気がします。


それから、もうひとつ。上の話と絡みますが、脚本的に見せ場が無いというのも、問題。
例えば、お互いに策謀の限りを尽くして相手の邪魔をする終生のライバル(兼信・信玄のようなもの)とか、アレキサンダー大王に復讐を誓い、常に付きまとう影の男とか…そんなシーン・キャラがあれば、まだ、盛り上がったと思うのですが。
でも、そんなキャラが出ていた記憶はゼロ。しいて言えば、ペルシアの王様ぐらいですが、王様は、史実どおり序盤で退場してしまい、キャラが薄かったからなぁ…(爆)。


と言うわけで、筆者は、連日の睡眠不足の甲斐もあり、序盤は久々に睡眠学習気味でした(汗)。


ちなみに、余談ですが、映画を見ながら、「最近、スケール感を売りにした『史実に基づく作品(アレキサンダーキング・アーサー、トロイ)』が多いけど、なぜいつも西洋史なんだろう」というのを思いました。
というか、九郎判官*1とか、上総守*2など、日本にも、それっぽい題材は沢山あるだろうよ、と。
しかも、そっちの方が、なじみ深く、感情移入しやすく、見ていて楽しい気が。


ただ、流行の大スケールの戦闘シーンは日本では予算的に難しく、だからこそ、出来ないんでしょうね…。